「日本語に主語は無い」という否定表現を、「日本語は述語性の言語である」とポジティブに設定します。言語の述語性を基盤にして、文化とは言語であること をもって、そのコードに規制された技術が、<もの>からさまざまな種別的世界を述語的疎外=表出していきます。その総体的世界が、「述語制」の世界です。 日本は、「述語制」の文化・技術から、歴史的に現実的に創成されてきました。主客分離の西欧思考から、それはつかまえることができません。
西欧哲学にかわる「述語制」の哲学から、述語制の文化表出を明示していきます。
理論創出・理論生産の場所です。

述語制言語様式と主語制言語様式とを対比的に識別します。
主語制言語様式は、主語に動作を一致させる主述コプラの命題形式を構文の基本にしています。be動詞が主要な役割をはたします。
述語制言語様式は、主語が無い、命題形式もない、状態を述べる構文です。助辞が大きな役割をはたします。
富士谷成章、宣長、春庭、御杖らによって開示された閾であり、松下大三郎、佐久間鼎、三上章、そして金谷武洋によって対象化された日本語言語世界です。日本語は、述語制言語様式の典型といえます。