ここでは、<資本>がなぜ消えてしまっているのか、<資本>の形成はいかにしてなされていくことなのか、「商品」と「資本」をはっきり識別して、<資本>の経済の可能条件をさぐりかつ創出していきます。
「資本」とは「商品」ではない、動く原理がまったくちがうのです。ここを混同しているのが、世界一般です。この誤認の論理は、相当に根深いです。資本が商品化されると資財、資金となりますが、それが資本だと誤認されてします。
資本と商品の違いは、以下で講義しています。
https://www.youtube.com/watch?v=NRSXosFpSNQ
<資本>のスケールは、国家予算を超えるものから、我が身の<資本>、そして文化資本、場所資本など、多様な<資本>です。
欲望・快楽の「商品」消費経済を超える、欲動・享楽の<資本経済>への飛躍です。「マル経」「近経」の次元を超える経済理論は、経済学からは形成されません。新たな経済哲学をもって、文化資本のホスピタリティ経済の閾を開いていくことです。
現実設計の場所です。
◉なんだかんだとさまざまな経済学の論述がありますが、政治経済・経済政治の商品の本質世界を描き出したのはマルクスです。その解析された世界を、現実の 経済はこええていないどころか、十九世紀中頃にマルクスが示した実際そのものに、<いま>なっているといえます。それは、「利子産み資本」の破綻であり、 商品の利潤率の低下です。先進国において商品経済生産は、もはや満杯、その歴史的任務は終わったのです。ところが、マルクスは「資本論」を書いてはいます が、資本について論じ切れていません。資本論は、所詮「商品論」の体系でしかないものです。ところが、『経済学批判要綱』には、<資本>をつかむさまざま な可能要素が構成されてします。そこから「資本論」を読むといろいろとみえてきます。
マルクスの間違いが、大きく二つあります。それは商品循環を「資本形式」としてしまったこと。また「労働技能」を「労働力」として労働の搾取を主張してしまったことです。
これは、<資本ー労働>関係を、<資本家―労働者>関係として人格化してしまった誤りからきています。概念空間がそれはまったくちがうことです。ジャック・ランシエールが、『資本論を読む」で、とうに指摘していたことです。
剰余価値が、労働と生産手段の結合からうみだされている、そこは労働技能=文化資本から剰余価値がうみだされているということです。それを「労働力」へと 概念転移させたとき、労働力の商品論を論じているだけで、資本を論じなくさせてしまったのです。労働者は、資本者である、そうならないかぎり、賃金での搾 取が構成されうる、というだけのはなしです。賃労働をなくすことなのに、賃金値上げが階級闘争だ、などというのがまちがいです。
「資本」を悪だなどといっているような貧困な思考論理が。根本からの誤りです。
◉<資本―労働ー土地>の三位一体が、資本経済の総過程です。その商品形式化=物象化をマルクスは明らかにしましたが、これは、<資本―文化資本―環境資 本>の資本関係総体の論理域を開いているものです。十九世紀マルクスをうのみにしている誤認から脱出するには、マルクスをマルクスとして読み込むことから しかなしえません。マルクス主義論者が、現代資本主義をいかに客観的に緻密化しようとも、本質根柢がひっくりかえっていますから、現実機能しません。労働 者搾取などしていたなら、百年以上も、資本主義がもつわけがない、労働者ー民衆を馬鹿にしたロジックです、現実を理論的にみていないロジックです。知識人 たちが、自分で商品生産や資本生産をしていないから、まったくわからない、頭だけで論理をこねくりかえしているからです。そのくせ、消費者として銀行にお 金をあずけ、大学教師として給与をもらう賃労働をし、商品を買う暮らしをして、資本家の支配だ、労働搾取だ、など笑止千万です。
■「資本論」第3巻を読む:資本経済の総過程を考える
企業のかたたちの混乱というか錯認というか、それはどこに構成されているのか、「物象化」でかたずけられないものなので、いろいろ考えていたなら、資本論 第3巻が考察している領域のことであると発見しました。そこから、逆に、マルクス主義者や資本論論者たちが、第3巻をほとんど認識しえていないことにも気 づかされました。それは、「資本の動き」の統轄過程です。1巻は「生産過程」、2巻は「流通過程、3巻はその二つの統合過程です。つまり、資本の実際の動 きは、3巻であって、1巻ではないということです。
そこで、資本論第3巻の講義をしていきながら、自分も確かめることにしました。YOUTUBEのweb place universityを構築していくこともかねて、まず基盤をつくります。
まずは、経験的に言う「儲ける」とはどういうことになっているのかです。現在の企業は、商品をたくさん売れば儲かる、経費を節減すれば利益が増す、とおも いこんでいますが、経済とは、そんな単純なことであるのでしょうか? そこを考えます。理論的に言うと、「利潤率」と「剰余価値率」とはちがう、その相互 関係が「利益」にかかわるのだということです。商品を再生産(さらに差別化してまた再生産)していても利益などはでません、その根拠を知ることです。ピケ ティが、騒がれていますが、そんな3流の論理などから資本経済はとかれない、マルクス以上に資本の動きをつかんだ論理はありません。
@第1章:費用価格
https://www.youtube.com/watch?v=OAiUlNftHSk
A第2章:利潤率
https://www.youtube.com/watch?v=rQxRh81zwSY
B第3章:剰余価値率
https://www.youtube.com/watch?v=IpbGY28e3ig
C第4章:回転
https://www.youtube.com/watch?v=4OJ6Iy9UTgk